Debian/Ubuntu Advent Calendar 2017
Debian のセクション追加方法について
これは Debian/Ubuntu Advent Calendar 2017 12年4日 の内容です。
はじめに
Debian にはパッケージを分類するためのセクションがあり、 Debian 9 ではGNOME、Ruby、ウェブサーバなど、59のセクションがあります。これらは必要であればだれ でも追加申請を行うことができます。今回はこの追加申請の流れについて紹介します。
追加方法
ftp.debian.orgへのバグ報告
セクションの追加するには、追加申請をするためのバグ報告を行います。 セクションの管理は ftp-master で管理しているため、 バグ報告先はftp.debian.orgとなります。 また、Severity は wishlist とします。
Package: ftp.debian.org Severity: wishlist
バグ報告内容としては、追加したいセクション名とその理由を記載します。
セクション情報を持つパッケージへのセクション追加依頼
ftp.debian.orgにセクションの追加依頼を 行ってしばらく(いつになるかわからない)待っていれば、セクションが追加され、バグが閉じられます。 しかし、セクション情報を持つパッケージ、synaptic や lintianなどがあり、これらのパッケージにもセクション追加の修正 が必要です。これらのパッケージにに対してもセクション追加依頼のバグ報告を行うとよいでしょう。synaptic、lintianの他に 以下のパッケージで修正が必要となります。
- packagekit
- zsh
- vim
- neovim
- gambas3
- dl10n
- セクションに関連するパッケージ作成サポートツール
またこのバグ報告の際に、バグコントロールとしてblockを使って、 セクション追加依頼のバグをブロックしておくことで、お互いのバグを関連付けできます。
Package: foobar Severity: wishlist Control: block セクション追加依頼のBTS番号 by -1
セクション追加依頼がリジェクトされる可能性もあるため、セクションが追加されてから上記作業を行っても良いと思いますが、 先にバグ報告して関係するパッケージメンテナに周知させておくのはよいと私は考えます。リジェクトされたら、関連するパッケージの バグも閉じればいいわけなので。
まとめ
Debian のセクション追加方法の流れについて紹介しました。 ftp-master にセクション追加申請するだけではなく、セクション情報を持つパッケージへの修正依頼を 行う事と、その際に注意する点についても紹介しました。 セクションが追加される度に関連するパッケージの更新が必要となるので、一元管理できる方法を考えた ほうがよいですね。